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航空魚雷整備

昭和19年4月~20年8月まで、海軍航空隊の甲種予科
練習生として、航空機操縦では無く、航空魚雷の整備を
習得させられた。鹿児島県は桜島から少し南の方に行った
ところに、古江の町外れにその航空隊はあった。海岸沿い
の斜面にあったような気がする。戦後一度探しに行って見
たが跡形も無く、場所さえ確認が出来なかった。

桜島の付け根の所に海潟と言う温泉部落がある。そこに
整備した航空魚雷の発射試験場があった。そこには行って
いないので今はどうなっているか知らないが思い出のある
懐かしい所である。

整備を終えた試験用の航空魚雷を、この発射練習所に専用
のいすずの貨物車で、試験場まで運び、発射台に取り付け
教官の号令と共に発射装置の栓を抜く、180気圧の圧搾
空気がジャイロスコープを回転させ、酸素燃料の燃焼室を
発動させる緊張の一瞬だ。中にはほかの班では発火失敗も
見かける。又魚雷が発射進行しても、中途で沈没する場合も
あるのだ。標的の前方にある小島に命中すれば拍手喝采だ。

戦時中、航空魚雷は艦上攻撃機や一式陸上攻撃機などで
敵艦船を攻撃するのだが、艦上爆撃機などは「天山」「彗星」
などの小さな攻撃機に積載するため、800キロの重さの物
だから一発しか積めない。
そもそも航空魚雷と言うものは、敵艦船の手前で水中に落し
て、魚雷自信がぺラを回して進み、命中させるのが目的なの
で性能上いろいろ工夫がある。戦後アメリカの武器研究班が
日本の武器で一番技術が優れたものとして賞賛したそうだ。

航空魚雷の整備をするために、魚雷の構造を取得しなければ
ならないが、教科書は特秘なので自由に持ち歩くことは出来
なかった。置き忘れたり、紛失したりすれば総員で探す。
その夜は精神注入棒(バッター)を全員頂戴する。

全長4m29cm、弾頭を入れると、5mを越す。弾頭には500
kの火薬が詰まっている。
攻撃機から投下する場合は、角度が水平に近ければ水面で
折れることが多い。パイロットの技能の問題で、要は水中に
入ってからは約5,000m位走るので、整備が悪ければ途中
で沈んでしまうのだ。

走行は酸素エンジンだと泡を殆ど出さないので、それを採用
していたようだ。確か180kの圧搾空気タンクの弁を開いては
ジャイロスコープで舵、水平舵、ローリング、ピッチングなどを
コントロール出来る。震度も機内から調節できた。敵の艦船が
戦艦、航空母艦のような大型であれば、深度を10メートル位
にするが駆逐艦、巡洋艦くらいであれば5,6メートルと投下す
る前にパイロットは深度調整をして発射するのだ。

モーターで圧搾空気を魚雷の前部部分半分のタンクに詰め込
む。後部にはジャイロスコープ、推進燃焼エンジンが設計され
ている。頭部は500キロの火薬が、訓練のときは火薬は除か
て空の弾頭となる。しばしば軽いので頭部から浮き上ることも
あった。

香取基地しか知らなかったが、特攻隊基地には必ず航空魚雷
の整備分隊が基地の近くに整備工場とともにいたはずである。
香取基地は第一線の特攻基地であった。
鹿屋基地には体験搭乗で一度行ったが、一式陸攻撃機のよう
な大型の航空機が多数駐機されていた。渡洋爆撃機基地だ。




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コメント

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Re: No title

> とても興味深いお話をありがとうございます。
> 実際にかかわってらした方のお話には、書物ではわからないようなことがたくさんあり、本当に参考になります。もしも、よろしければ、お教えいただきたいのですが。航空魚雷の弾頭で、よく黒く塗られているものがあります。たとえば、実弾の場合と、演習弾頭の場合等の塗装の指示はあったのでしょうか。もし、おわかりでしたらお教えいただけると幸いです。

年を重ねすぎると、何事も動作緩慢になります。
今始めて貴方のコメントを拝見させていただいた次第です。
コメントを頂いて有難うございます。姑息なってしまいましたが、お返事をと思い書かせて頂きました。

お答えは暖冬は火薬充填のケースと試験用では全く色は違います、又練習用は試験済みの場合は
会場に浮かんでくるようになっていました。整備の仕方ではそのまま沈むこともありますが、その場合は順検後総員バッターでした。塗装は直接かかわりは無く、常に常備されていました。
実弾の場合は消耗品ですから、確か川棚の工場で生産されていたと思います、火薬は練習生よりも
実戦配備の整備士が点検整備もさせられました。実弾は大方黒く塗られて見えました。
以上です。有難うございました。

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